リボ払いが借金体質を作りだし、借金地獄へ行く近道って本当?

お金
ショッピングなどでクレジットカードを使っても、一定の金額なら毎月の返済額は1万円でOK。

キャッシングで20万円を引き出しても、返済は月々1万円、2万円ずつ。

「リボ払い」と呼ばれるリボルビング払いの返済方法は一見、便利ですが、
借金の重みや返済義務を軽くさせ、借金返済の地獄へと進む可能性が高くなります。

リボ払いが勧められる背景

平成22年6月に貸金業法が完全実施されたことで、貸金業者は状況が一変します。

それまで、利息制限法の上限金利20%と出資法の29.2%の間の金利でお金を貸し付けてテレビCMをバンバン打てるほど莫大な利益を上げていました。

平成29年では多重債務者は9万人ですが、貸金業者隆盛期(平成19年)には171万人もいました。

しかし、グレーゾーン金利が撤廃され、上限金利20%以下で貸し付けを行わなければならなくなりました。

そして、「総量規制(与信の制限)」ができます。

年収の3分の1以上を貸すことができなくなりました。
金利と貸し付ける金額が減り、利益が大きく落ち込みます。

金融庁の貸付残高データ(http://www.fsa.go.jp/status/kasikin/20150930/09.pdf)を見ると、
法律改正で貸金業者の貸付額が大きく減ったことが分かります。

そこで、クレジットカード会社は、
このカードキャッシング部門の収益激減を回復させるために、
最低金額を払えば、翌月以降も繰り返し買い物ができる方式「リボルビング払い」へと誘導をはじめました。

カードショッピング枠で一括払いの手数料0%が一般的ですが、リボ払いの手数料は10~18%と収益が大きく生まれます。

ネット通販の拡大、訪日外国人のカード利用の増加、キャッシュレス化が追い風となり、
クレジットカード会社の「クレジットショッピング」信用供与額(※1年間で消費者に利用できるようにした貸付額)が前年比10%を超える年もあるほど急激に増大していることが分かります。

※参考資料:日本クレジット協会
信用供与額:
https://www.j-credit.or.jp/information/statistics/download/toukei_02_b_170331.pdf
クレジットカード発行枚数:
https://www.j-credit.or.jp/information/statistics/download/toukei_03_a_171130.pdf

莫大な宣伝費をかけ、ポイントアップ、キャッシュバック、プレゼントを行ってもなお、リボ払いに移行させた方が一括払いよりカード会社は利益が出るのです。

リボ払いが借金体質をつくる

利用枠の範囲であれば、「途中で融資を受けても」、「どれだけ使っても」、毎月の決まった金額だけを弁済すれば、カードの利用が続けられます。

とても、便利はシステムのように思えます。
返済の途中でも追加でカードが使える、キャッシングを受けることもできます。

しかし、いくら借りても月の返済額は一定額ですみます。

借金の重みや返済の義務感などを薄く感じさせます。
いくら借金があるのか、残高があるか分かりにくいシステムでもあるのです。

返済途中に追加で利用すると、いつまで経っても残高が減りません。

しかし、残高に応じた手数料を支払わなければなりません。

「手数料」と言えば借金に縁遠い言葉ですが、「利息」だと認識しなければいけません。

リボ払いは、いつまで経っても残高が残り、返済期間が長くなる性質があります。

だから、借金体質をつくるのです。
そして、返済期間が長いほど支払う利息は多くなります。

借金返済シミュレーション

借金返済をシミュレーションした場合の返済額を見ていきましょう。

リボルビング払い(元利均等返済方式)

・10万円借入・金利18%→月返済3千円・返済回数47回(139,639 円)→差額39,639円

・30万円借入・金利18%→月返済1万円・返済回数41回(41万円)→差額110,000円

・100万円借入・金利18%→月返済3万円・返済回数47回(1,396,688 円)→差額396,688円

上記は、途中で追加の買い物やキャッシングをしない場合です。

リボ払いの場合は、返済中でも銀行やコンビニのATMで気軽に引き出せます。
カードが限度枠になってしまっても、数カ月返済すれば、また、枠ができ利用できるようになります。

手元のお金が少し足りない、利用枠が残っているからと、1万円、2万円と借りてしまわないとは限りません。

リボ払い専用のカードもあります。
ポイントがたくさん付加されるサービスだけではありません。

途中でリボ払いに変更しやすいサイトの作りにもなっています。
支払期間が長くになり、利用すればするほどカード会社が儲かるのです。

カード会社の利益が多いということは、それだけ消費者を泣かせているのです。

リボ払いでも、最初のうちは多めに返そうと思っていても、慣れてしまうと、借金の感覚を麻痺させ繰り上げ返済をしようと考えなくなる恐れがあります。

最後に

借金返済のためには、これ以上の負債を増やさないことです。

大きな買い物はカードではなくお金を貯めてから買う。
カードでのリボ払いをしないと決めたら、この借金地獄とは無縁です。

クレジットカードを使うなら、翌月1回払いだけにしましょう。

債務整理を検討してみる

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